2026 年 39 巻 2 号 p. 142-148
水平的骨量不足に対して,骨補填材とバリアメンブレンを使用する骨再生誘導法が適応となるが,バリアメンブレンの操作性や,創の哆開による感染の問題などが指摘されている.本論文では,バリアメンブレンを用いずに炭酸アパタイトと自家骨を用いて骨造成を行い,良好な結果を得た2症例を報告する.
インプラント体埋入時に,全層弁で骨膜を断裂させないように剥離し,減張切開は加えずに,エンベロープを形成後,インプラント体埋入手術を行った.骨補填材として生理食塩水で含浸させた炭酸アパタイトを,インプラント窩形成時に採取された自家骨と混和後,埋入部の頬側スペースに塡入し,骨造成を行った.
インプラント上部構造装着から3年以上経過後のCBCT像では,填入部位に硬組織様の不透過像を認めた.
本症例では,水平的に吸収した歯槽骨に,骨補填材の炭酸アパタイトと自家骨の混和物を骨膜で被覆することで,バリアメンブレンを用いることなく良好な骨造成効果が示された.