抄録
昭和大学歯学部口腔リハビリテーション科は摂食・嚥下障害,言語障害,呼吸障害(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)に対応する診療科として平成16年に開設された。当科の平成19年度の外来初診患者459(576)名のうち摂食・嚥下障害を主訴とした患者数は233(238)名で,このうち頭頸部腫瘍術後患者は59(66)名であった。(カッコ内は平成20年度)
当科では開設以来,外来診療のみならず摂食・嚥下障害に対する入院加療を行っており,今回のシンポジウムでは経口摂取不能あるいは困難と他院で診断され,当科で入院加療を行った頭頸部癌術後嚥下障害5症例を紹介するとともに摂食・嚥下リハビリテーションにおける当科での取り組みについて述べた。本項では頭頸部癌治療後の摂食・嚥下障害の特徴とその対応も合わせて報告した。