日本口腔腫瘍学会誌
Online ISSN : 1884-4995
Print ISSN : 0915-5988
ISSN-L : 0915-5988
症例
高位に発生した頸部迷走神経鞘腫の1例
佐藤 祐介太田 嘉英倉林 宏考佐々木 剛史伊澤 和三山崎 浩史
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 22 巻 4 号 p. 149-155

詳細
抄録

今回われわれは,頸動脈間隙の高位に発生した頸部迷走神経鞘腫の1例を報告する。症例は,71歳,女性。咽頭部違和感を主訴として来院した。口腔内所見として,左口蓋咽頭弓に約50×60mm大,無痛性腫瘤を認めた。腫瘤は,CTおよびMRにて左頸動脈間隙を占拠していた。また,腫瘤は総頸動脈および内頸静脈を解離させ,頭蓋底まで及んでいた。われわれは,subcutaneous mandibulotomy approachを用いて切除し得た。病理組織学的診断は,神経鞘腫であった。術後,嚥下障害および嗄声を認めたが,リハビリテーションを行い,経口摂取可能な状態まで改善した。術後,約2年経過した現在,再発は認めていない。

著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
前の記事 次の記事
feedback
Top