日本口腔腫瘍学会誌
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症例
温熱療法を併用した逆行性超選択的動注化学放射線療法が著効した上顎歯肉癌N3の1例
光永 幸代光藤 健司岩井 俊憲矢島 康治柴崎 麻衣子大屋 貴志大原 良仁廣田 誠藤内 祝
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2010 年 22 巻 4 号 p. 157-163

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抄録
われわれは温熱療法を併用した逆行性超選択的動注化学放射線療法が著効した上顎歯肉癌N3の1例を経験したので報告する。
左側頸部の腫脹を主訴に39歳の男性が当科を受診した。その腫瘤は65×55mmであった。画像診断と病理診断によって腫瘍は上顎歯肉癌・頸部リンパ節転移(T2N3M0)と診断された。患者は温熱療法を併用した浅側頭動脈と後頭動脈よりの超選択的動注化学放射線療法を受けた。シスプラチンの総投与量は150mg/m2であり,ドセタキセルの総投与量は60mg/m2であった。外照射は2Gy/回で週に5回行い,計60Gy施行した。温熱療法は6週間で5回行った。
治療終了1か月後の病理診断では原発巣はCRであったが,転移リンパ節に対する臨床的効果はPRと考えられたため,患者は両側頸部郭清術と軟組織再建を受けた。しかし,摘出されたリンパ節の病理組織診断はCRであった。術後20か月経過するが,再発・転移なく経過良好である。本法は頸部リンパ節転移N3症例に対する効果的な治療法の一つになりうると思われた。
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© 2010 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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