日本口腔腫瘍学会誌
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症例
頸部郭清術後の頸部再発に対し選択的動注化学放射線療法が奏功した口腔癌の2例
小林 恒中川 祥久保田 耕世佐藤 寿木村 博人
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2010 年 22 巻 4 号 p. 165-172

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抄録
口腔癌の治療において頸部郭清術後の頸部再発は非常に重要な問題である。根治的頸部郭清術後に生じる頸部再発の頻度は約10%とされ,その予後は著しく不良である。頸部再発例に対しては外科的切除が最も効果的な治療法であるが,level II領域での頸部再発は解剖学的理由により切除不能であることが多い。一方,近年,選択的動注化学放射線治療(SIACRT)が進行頭頸部癌の治療に適用されるようになってきたが,転移リンパ節にも有効であるという報告もある。今回われわれは,頸部郭清術後に頸部再発を来たした口腔癌の2症例に対し,ドセタキセル―ネダプラチンを用いたSIACRTを実施し,良好な結果が得られたので報告する。
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© 2010 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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