日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム2:「口腔癌N0症例の頸部マネージメント」
口腔癌N0症例の頸部マネージメント (原著)
―センチネルリンパ節生検と未来展望―
土持 眞山口 晴香羽山 和秀
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2016 年 28 巻 3 号 p. 76-85

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抄録

センチネルリンパ節生検は早期のリンパ節転移のstagingに多くの悪性腫瘍で行われている。その悪性黒色腫や乳癌のN0症例の診断精度は95%以上と報告されている。この術式では外科医が手術室でγプローブを用いてRIの放射線量を計測してセンチネルリンパ節を探索する。この方法では外科医は良好な空間分解能で集積画像を見ることはできない。小型のγカメラを使用することができるが解剖学的情報の中で集積を見つけることはできない。色素などを併用する方法が行われているが,これは切開した部分のみに限られる。蛍光の組織透過性が良好なことから,近年indocyanine green(ICG)を用いた近赤外蛍光のセンチネルリンパ節生検が行われている。私たちはpolyamidoamine(PAMAM)をグラフトした多機能シリカナノ粒子を使用して99mTcとICGを結合させた複合イメージングプローブを開発した。動物実験で組織深部はRIで探索し,そして切開して近赤外蛍光でセンチネルリンパ節を検出して手術操作を容易にする可能性を明らかにした。さらに私たちは直接にセンチネルリンパ節転移細胞をイメージングする方法の研究も実施している。そして本総説では最近のセンチネルリンパ節転移検索のための分子標的イメージングの進歩についてreviewする。

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© 2016 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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