日本口腔腫瘍学会誌
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シンポジウム4「口腔がん手術の適応を考える」
全身状態からみた口腔癌手術の適応と術後合併症
上田 順宏今井 裕一郎山川 延宏上山 善弘中山 洋平有川 翔仲川 雅人松末 友美子山本 一彦桐田 忠昭
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2017 年 29 巻 4 号 p. 212-217

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抄録

口腔癌において外科的切除を選択する際には,患者の年齢および健康余命,全身状態,治療への耐性,患者自身の外科的切除の受け入れ状態や経済的状態など,様々な患者背景に対する配慮が必要である。一般的に,高齢というだけで術後合併症のリスクが高くなるわけではないが,併存疾患の進行や全身状態の悪化は,広範な外科処置による術後合併症のリスクを増加させる要因となる。
今回われわれは,口腔癌術後に生じる合併症に関わる因子を検討した。対象は,2011年から2015年までの期間に当科にて口腔癌の根治手術を施行した196例で,このうち原発巣切除のみの83例を除外し,頸部郭清術を施行した113例とした。手術後30日以内に生じた合併症について,それぞれの因子との関連をFisherの正確確立検定およびlogistic回帰分析にて検討した。合併症の多くが手術部位感染であり,術前のASA-PS(≧3)およびNLR(≧3.00)がリスク評価の指標となる可能性が示唆された。今後,口腔癌術後の合併症を軽減するための周術期管理法を探索する必要があると考えられた。

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© 2017 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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