日本口腔腫瘍学会誌
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上顎骨肉腫の1例
―姑息療法が有用であった著して進行症例―
陶山 一隆松尾 長光山辺 滋上谷 猛冨永 和宏水野 明夫藤田 修一高橋 弘岡邊 治男
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キーワード: 骨肉腫, 上顎, 姑息療法
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1999 年 11 巻 1 号 p. 16-22

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抄録

高度に進展した上顎骨肉腫の1例を経験した。患者は32歳女性で, 7年前に左上顎良性骨芽細胞腫の摘出術を受けていた。初診時, 巨大な腫瘤は左顔面全体に及んでいた。生検の結果は骨肉腫であり, MTX大量療法ならびに放射線療法を行ったところ, 腫瘍は縮小し, 姑息療法として減量手術 (腫瘍切除術) を施行した。術後, 腫瘍は静止的であったが, その後右上肺野, 右脳に転移が認められるようになった。右脳転移巣に対して定位的脳放射線療法を行ったが, 呼吸不全により死の転帰をとった。剖検の結果, 右上肺野の他に, 右脳, 心臓, 舌, その他に転移巣が確認された。

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