日本口腔腫瘍学会誌
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11 巻 , 1 号
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  • 山中 康嗣, 桐田 忠昭, 山本 一彦, 大儀 和彦, 今井 裕一郎, 下岡 尚史, 杉村 正仁
    1999 年 11 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    1981年10月当科開設より1997年6月までの15年8か月間に奈良県立医科大学口腔外科において病理組織学的に唾液腺腫瘍と診断された90例について臨床統計的検討を行い以下の結果を得た。
    1. 性別は男性が46例, 女性が44例とほぼ同数であった。
    2. 平均年齢は良性腫瘍では45.1歳, 悪性腫瘍は56.4歳で, 男女間の平均年齢は良性腫瘍ではほぼ同じであったが, 悪性腫瘍では男性は女性より約25歳高齢であった。
    3. 組織型では良性腫瘍72例のうち多形性腺腫61例, Warthin腫瘍9例, 筋上皮腫, 嚢胞性リンパ管腫, 各々1例で, 悪性腫瘍18例のうち, 腺様嚢胞癌12例, 粘表皮癌, 基底細胞腺癌, 各々2例, 多形性腺腫内癌, 扁平上皮癌, 各々1例であった。
    4. 発生部位では大唾液腺原発が36例 (40.0%) , 小唾液腺原発が54例 (60.0%) で, 大唾液腺では耳下腺が25例 (69.4%) と最も多く, 小唾液腺では口蓋が37例 (68.5%) と最も多くを占めた。
    5. 初診時臨床症状は良性腫瘍では全例に無痛性腫脹が認められた。悪性腫瘍では腫脹に疼痛等, 何らかの症状が合併している症例が多く認められた。
    6. 治療法は良性腫瘍では全例に手術を施行し, 悪性腫瘍では手術単独療法が4例で, 術前, 術後に放射線, 化学療法を併用したものが11例と多くを占めていた。
    7. 良性腫瘍では全例に再発は認められず, 良好な結果を示したが, 悪性腫瘍では5年及び10年累積生存率は55.0%で, Stage別ではI, II群100%, III, IV群41.6%, N分類別ではN (1-3) 群46.7%, N (0) 群75.0%であり, 進行例が予後不良であった。
  • 寺井 陽彦, 島原 政司, 仙田 順子
    1999 年 11 巻 1 号 p. 11-15
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    移植先進国では, 腎移植患者における悪性腫瘍の発生が高頻度に認められている。近年, 本邦においても長期生着例が増加するにつれて, 腎移植の悪性腫瘍の発生が注目されるようになった。
    今回, 腎移植7年後に歯肉に発生した悪性リンパ腫の1例を経験したので, 報告する。歯肉の無痛性腫脹が主訴の45歳男性に対し, シクロスポリンによる歯肉増殖症の臨床診断のもと, 歯肉切除術を行った。病理組織学的には, LSG分類: びまん性リンパ腫多形型と診断された。
  • 陶山 一隆, 松尾 長光, 山辺 滋, 上谷 猛, 冨永 和宏, 水野 明夫, 藤田 修一, 高橋 弘, 岡邊 治男
    1999 年 11 巻 1 号 p. 16-22
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    高度に進展した上顎骨肉腫の1例を経験した。患者は32歳女性で, 7年前に左上顎良性骨芽細胞腫の摘出術を受けていた。初診時, 巨大な腫瘤は左顔面全体に及んでいた。生検の結果は骨肉腫であり, MTX大量療法ならびに放射線療法を行ったところ, 腫瘍は縮小し, 姑息療法として減量手術 (腫瘍切除術) を施行した。術後, 腫瘍は静止的であったが, その後右上肺野, 右脳に転移が認められるようになった。右脳転移巣に対して定位的脳放射線療法を行ったが, 呼吸不全により死の転帰をとった。剖検の結果, 右上肺野の他に, 右脳, 心臓, 舌, その他に転移巣が確認された。
  • 赤間 淳, 今村 英夫, 井原 功一郎, 角田 隆規, 豊田 純一朗, 後藤 昌昭, 香月 武
    1999 年 11 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    セメント質骨形成線維腫3例について臨床病理学的に検討した。
    性別は, 3例すべて男性で, 初診時年齢は14歳, 43歳, 47歳 (平均年齢: 34.7歳) であった。3例とも下顎臼歯部に発生していた。X線所見では, すべて境界明瞭な病変で, X線透過像とX線不透過像の混在例であった。治療法は, 3例すべてに対し腫瘍摘出術を行い, 自家腸骨海綿骨移植を追加施行した。術後経過はすべて良好で, 再発例は認めていない。摘出した腫瘍は被膜を欠いており, 線維性組織中に種々の成熟度を示すセメント質様ないし骨様組織の形成が認められた。
  • 野村 幸恵, 柿澤 卓, 高野 正行, 高木 多加志, 野間 弘康, 村松 敬, 下野 正基
    1999 年 11 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    紅板症は悪性化しやすい前癌病変とされているが, 白板症と比較すると発生頻度が低く, 報告例も少ない。われわれは最近の6年間に経験した口腔紅板症の3症例について臨床的ならびに病理組織学的に検討した。これらはいずれも臨床的には鮮紅色, 境界明瞭な病変で, 病理組織学的には中等度から高度の上皮性異形成であった。うち1例は経過観察中に悪性化した症例であり, 紅板症は可及的早期に切除するのが適切と考えられた。
  • 下村 泰代, 横井 基夫, 神谷 博昭, 鶴見 邦夫, 岡部 光邦
    1999 年 11 巻 1 号 p. 35-41
    発行日: 1999/03/15
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    歯牙腫は, 歯原性腫瘍の中で発生頻度の高い疾患である。本病変の大きさについては, 30mm未満の大きさがもっとも多いとされている。今回われわれは, 上顎に46×35×34mm大の巨大な複雑性歯牙腫を経験した。
    そこで我々が経験した巨大な複雑性歯牙腫の概要に加え, 1960年から1997年の過去37年間の文献を検索し, 最大径30mmを越える報告について検討を行ったので報告する。
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