抄録
1992年, WHOの歯原性腫瘍の組織学的分類が改訂され, Unicystic ameloblastomaの項が追加された。
われわれは, 下顎小臼歯部の嚢胞様病変をもつ37歳男性と下顎大臼歯部のエナメル上皮腫を疑った67歳男性を経験した。X線所見ではそれぞれ境界明瞭な単胞性, 多胞性のX線透過病変が示された。これらの病変には摘出術を施行した。病理組織学的検査によりこれらの病変はそれぞれII型, I型のUnicystic ameloblastomaであることが明らかとなった。2症例に再発はみられなかった。
われわれは, 文献的に報告された14例のUnicystic ameloblatomaとこの2症例について臨床病理学的に検討を加えた。