日本口腔腫瘍学会誌
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顎骨に発生したEwing肉腫の2例
関 克典福田 喜安大屋 高徳横田 光正石川 義人松田 淳志武田 泰典工藤 啓吾
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1999 年 11 巻 2 号 p. 128-134

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抄録
顎骨に発生したEwing肉腫の2例を報告した。症例1は7歳の女児, 主訴は右オトガイ部の腫脹と圧痛で, 臨床的に骨原性肉腫と診断されたが, 病理組織学的にはEwing肉腫であった。オトガイ部の腫瘍の大きさは38×30mmであった。術前化学療法 (MTX, AD) +腫瘍切除+放射線療法 (60CO 27Gy) +化学療法 (VAC療法) をおこなったが, 10か月後に脳転移にて死亡した。症例2は2歳の男児で, 主訴は上顎前歯部の腫脹であった。両側上顎切歯部の腫脹の大きさは約27×34mmであった。臨床的に悪性腫瘍が疑われ, 病理組織検査でEwing肉腫と診断された。放射線療法 (60CO 35Gy) に化学療法 (VAC療法) を併用したが, 初診から4年2か月後に肺転移によって死亡した。
いずれも局所制御がなされたにもかかわらず, 遠隔転移により死の転帰をとった。
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