抄録
口腔扁平上皮癌におけるヒトパピローマウィルスの感染についてPCR法, 免疫組織化学的検索そしてin situ hybridization法により研究を行った。口腔扁平上皮癌では年齢, 性別, 部位, 組織型において, ヒトパピローマウィルスの感染に有意差は認められなかった。しかしながら, 本研究では口腔扁平上皮癌に数種類のHPVタイプが高率にみられ, 特にHPV-22, 38, 70は高頻度に検出された。これは, ヒトパピローマウィルスの感染が口腔扁平上皮癌の発生に関連があることを示唆している。