抄録
われわれは1987年から1996年までの間に, 北京口腔医院 (首都医科大学附属) において44例の顎下腺および舌下腺腫瘍を経験した。44例中39例は顎下腺腫瘍, 5例は舌下腺腫瘍であった。44例の腫瘍のうち, 良性腫瘍は29例 (顎下腺が27例, 舌下腺が2例) で, 悪性腫瘍は15例 (顎下腺が12例, 舌下腺は3例) であった。
組織型は顎下腺の良性腫瘍27例中26例が多形性腺腫, 1例は血管腫で, 舌下腺の2例は乳頭状嚢腺腫であった。顎下腺悪性腫瘍の組織型は粘表皮癌が3例, 腺癌および腺房細胞癌が各2例, 腺様嚢胞癌, 筋上皮癌, 多形性腺腫内癌, 唾液腺導管癌, および扁平上皮癌が各1例であった。舌下腺の悪性腫瘍はそれぞれ腺房細胞癌, 腺様嚢胞癌および筋上皮癌であった。
良性顎下腺腫瘍は前医で顎下腺を切除されていた2次症例の1例を除き, 全例顎下腺を含めて腫瘍を切除した。舌下腺腫瘍の1例は舌下腺および顎下腺を含め腫瘍切除, もう1例は術前に顎下腺腫瘍と診断されたため顎下腺と腫瘍が切除された。
悪性腫瘍では, 症例により頸部郭清および下顎骨切除を併用し, 比較的広汎な腫瘍切除を行ったが, 顎下腺では原発巣の再発がやや高頻度にみられた。