抄録
岡山大学歯学部附属病院第二口腔外科にて加療した口腔悪性黒色腫4例について臨床的検討を行った。対象症例の性別は男性2例, 女性2例, 年齢は57歳から75歳までであった。原発部位は下顎歯肉1例, 口蓋3例で初診時のUICC (1997) 分類はstage Ia期: 1例, stage II期: 1例, stage III: 2例であった。治療法は全例外科療法を施行し, 化学療法及び免疫療法またはホルモン療法を併用した。局所再発及び頸部リンパ節転移または遠隔転移をきたした2例が死亡例であった。他の2例は, 局所再発及び転移はなく, 経過観察期間は14年11ケ月と3年8ケ月であった。