日本口腔腫瘍学会誌
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頭痛により発見された上顎歯肉癌のルビエールリンパ節転移の1例
松下 一徳真野 隆充内田 堅一郎三原 眞理子福田 てる代上山 吉哉
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2008 年 20 巻 4 号 p. 297-301

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抄録
外側咽頭後リンパ節への転移は上咽頭, 下咽頭癌でしばしばみられるが, 口腔癌においてはまれである。今回われわれは頭痛により発見された上顎歯肉癌の外側咽頭後リンパ節転移の1例を報告する。
76歳男性患者が右側上顎歯肉部の接触痛を主訴として当科を受診した。生検の結果は扁平上皮癌であった。初診時全身精査では他部位への転移は認められなかった。術前化学療法後, 上顎骨部分切除術を施行した。術後9か月に, 頭痛の訴えがあった。CT検査により右側外側咽頭後リンパ節への転移が確認された。同部および頸部に対して放射線治療を行い, 腫瘍は一時的に縮小し, 頭痛も消失したが, 最終的には転移発見の9か月後に腫瘍死した。
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