日本口腔腫瘍学会誌
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口蓋粘膜に生じたverruciform xanthomaの1例
佐藤 健一瀬川 清福田 喜安山口 一成長 浩臣奈良 栄介藤岡 幸雄武田 泰典
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1991 年 3 巻 1 号 p. 79-82

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抄録
今回われわれは, 硬口蓋部に生じたverruciform xanthomaの1例を経験したので, その概要を報告する。患者は, 46歳の男性で, 約1年前より口蓋粘膜の粗造感に気づいていた。口腔内所見では右側上顎大臼歯部の口蓋側粘膜に, 境界が明瞭で, 表面が細顆粒状を呈する15×12mmの淡黄色隆起性の病変が認められた。その他, 異常所見は認められなかった。生検を施行した結果, verruciform xanthoma (乳頭型) の病理組織診断がえられ, 局所麻酔下に切除した。病理組織所見では, 角化亢進を呈する粘膜上皮が乳頭状に増生するとともに, その基底脚はほほ均等に下方に伸長していた。基底脚間には泡沫細胞が多数散見され, また, ところによっては泡沫細胞周囲に線維化あるいは硝子化が種々の程度みられた。術後2年6ヵ月経過したが再発は認められない。
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