主催: 一般社団法人日本周産期・新生児医学会
会議名: 周産期学シンポジウム
回次: 5
開催地: 神奈川県
開催日: 1987/01/17
p. 163-167
緒言
最近では極小未熟児(1,000~1,499g)の予後が著しく改善され,周産期医学の枢要な焦点は超未熟児(~999g)のintact surviveに移りつつある。そのため超未熟児の分娩方法をめぐる議論how to deliver the under 1,000-gram infantも増加してきているが,超未熟児骨盤位に極小未熟児と同じようにliberalに帝王切開を選択することの妥当性について,いまだ結論は得られていない。すなわち,超未熟児骨盤位において帝王切開は経腟分娩より児の成績はすぐれるか,また母体への帝王切開侵襲に引き合うほどに児の成績が期待されるか,いまだ明らかでない。このような中で,我々の施設では超未熟児骨盤位に帝王切開は原則として留保し,外回転術を加味した経腟分娩の工夫により対処してきたので,その経験を報告したい。