歯科薬物療法
Online ISSN : 1884-4928
Print ISSN : 0288-1012
ISSN-L : 0288-1012
薬物アレルギー
~われわれの治療経験症例における検討~
毛利 大介島津 薫大浦 清
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 25 巻 3 号 p. 80-87

詳細
抄録
薬疹はびらん, 色素沈着, 紅斑丘疹, 毒麻疹, 固定薬疹などの軽症なものから, Stevens-Johnsonsyndromeや中毒性表皮壊死融解症 (Lyellsyndrome) のような重症型まで種々である.
重症型薬疹は口腔粘膜, 皮膚以外の臓器に重篤な後遺症を残すことがあるため, 早期診断早期治療が必要である.診断で最も重要なことは重症型の薬疹はどれであるかを明確に把握すること, どのような薬疹が重症型に移行するかを見逃さないことである.自験例から, 全身症状を伴う薬疹, 口腔粘膜のびらんが口唇の粘膜皮膚移行部を越えて拡大する場合, 皮膚の紅斑が急速に癒合拡大する場合には重症型に移行する可能性が高いと考えられた.治療は疑わしい薬剤を含め原因薬剤の投与を直ちに中止し, ステロイドの大量療法を行う.
著者関連情報
© 日本歯科薬物療法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top