日本小児アレルギー学会誌
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総説
アレルギー疾患に対する免疫療法の現状と展望
大嶋 勇成
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2007 年 21 巻 3 号 p. 263-270

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抄録

免疫療法はアレルギーに対する唯一の原因療法といえる.従来の免疫療法にはアレルギー性鼻炎や喘息の症状を軽減し,治療薬の必要性を減らす効果が認められるが,副作用や治療必要期間の点からその適応は限られたものとなっている.しかし,免疫療法には新規の抗原感作を阻止し,アレルギー性鼻炎から喘息への進展を予防するといったアレルギー疾患の自然歴を変えてしまう可能性がある.近年,CpG モチーフをアジュバンドとして用いたり,IgE を介する副反応を抑制して免疫効果を高めるため抗原ペプチドや遺伝子改変アレルゲンを用いる新たな免疫療法が検討されている.本稿では免疫療法の現状とその作用機序,将来展望について概説する.

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© 2007 日本小児アレルギー学会
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