抄録
客観的呼吸機能評価が困難な乳幼児に対する非浸襲的検査方法の開発を目的に,小児気管支喘息児に対して呼吸音解析装置(LSA-2000,Kenz Medico)を用いて呼吸音解析を行った.今回は喘息の非発作時に測定を行い,呼吸音の中で吸気音最高周波数(以下 HFI)について検討した.
スパイロメトリーと HFI の関係,吸入ステロイド薬およびロイコトリエン受容体拮抗薬に対する治療効果判定,重症度との関係,発作予測の指標としての可能性について検討した.
HFI は気道閉塞状態を反映し,治療薬剤の投与により低下し,重症度が上がるほど上昇していた.
HFI が発作予測可能か否かを検討した結果,発作前には HFI が上昇していた.HFI は発作予測の指標となる可能性が示唆された.