日本小児アレルギー学会誌
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第44回日本小児アレルギー学会シンポジウム2 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン -解決すべき課題と今後の展望-
世界の小児喘息ガイドラインの比較
栗原 和幸
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2008 年 22 巻 1 号 p. 8-14

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抄録
我が国の JPGL は小児だけを独立させた喘息治療・管理のためのガイドライン(以下GL)であり,これは恐らく世界でも他に例がない.世界各国には異なった医療事情があり,全世界的に画一的な GL を制定することは不可能で,好ましいことでもないが,海外の GL と比較することは更なる改良のために役立つ.重症度,コントロールなど使用する用語には明確な定義が必要である.長期管理薬の中心は吸入ステロイドであるが,いずれの GLも最大使用量を抑制する傾向にある.JPGL では2歳未満では抗アレルギー薬(実質的にはロイコトリエン受容体拮抗薬)を優先している.発作時の薬物療法には大きな差異があり,海外では抗コリン薬,Mg を推奨し,テオフィリンとイソプロテレノールには消極的である.
GL には簡潔さ,実践しやすさは必須の要件である.JPGL は EBM の基本姿勢を明確にすることが必要であるが,世界水準より高いレベルで作成し実践することが可能であろう.
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© 2008 日本小児アレルギー学会
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