日本小児アレルギー学会誌
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第44回日本小児アレルギー学会ワークショップ1 Young allergist の集い
免疫寛容誘導のための食物アレルギー主要抗原タンパクの基礎的検討
森田 秀行金子 英雄大西 秀典近藤 應松井 永子深尾 敏幸近藤 直実
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2008 年 22 巻 2 号 p. 233-238

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抄録
食物アレルギー患者に対し食品抗原のエピトープを修飾することで免疫寛容を誘導する食品の開発を目標に,主に牛乳と大豆をテーマに研究を行っている.牛乳に関しては,最も頻度の高いアレルゲンであるβ-ラクトグロブリンのエピトープを詳細に解析して,牛乳ペプチドを選別し,患者に用いる BLG 分解抗原修飾ペプチドを複数作製した.この BLG 分解抗原修飾ペプチドは牛乳アレルギー患者の血清I gE には反応を示さず,かつT細胞反応性は保持していた.現在調製した BLG 分解抗原修飾ペプチドを患者に摂取していただいている.また,大豆でも同様に,免疫寛容を誘導する大豆食品を開発する試みを行っており,B細胞反応性が評価可能なリコンビナントP34を精製した.P34に関しても,牛乳 BLG と同様,コアエピトープを決定した上で,抗原修飾ペプチドを調製し,臨床治験に繋げる予定である.
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© 2008 日本小児アレルギー学会
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