日本小児アレルギー学会誌
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第45回日本小児アレルギー学会シンポジウム1 新生児・乳児消化管アレルギーの臨床と病態
新生児・乳児消化管アレルギーの病態
-消化管局所における病態-
大塚 宜一馬場 洋介幾瀬 圭山川 陽子藤井 徹青柳 陽東海林 宏道工藤 孝広鈴木 竜洋佐藤 洋明清水 俊明
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2009 年 23 巻 1 号 p. 18-24

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抄録
消化管アレルギーは IgE 依存性,混合性,非依存性の3つに大別されるが,新生児・乳児消化管アレルギーの多くは,混合性もしくは IgE 非依存性と考えられ,細胞性免疫の関与が指摘されている.本疾患群は,好酸球,好中球,抗原特異的T細胞および IgE などが関与し複雑な病態を形成している.特に新生児期は,消化機能,腸管粘膜のバリアー機能が未熟で抗原が侵入しやすい上,新生児期に多く認められる好中球や好酸球血症は,これらが有する proteinase の存在を考慮すると粘膜障害やアレルギー発症因子のひとつと考えられる.新生児一過性好酸球性腸炎(NTEC)の存在にも留意しながら,病態を形成している effector 細胞が消化管のどの部分に分布しているどの細胞であるかを念頭に入れ,個々の病態を検討する必要がある.
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© 2009 日本小児アレルギー学会
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