日本小児アレルギー学会誌
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第45回日本小児アレルギー学会シンポジウム6 アレルギー治療薬の小児適正使用に向けて
適応外使用解決に向けての学会・行政の取り組みと治験・臨床試験
中村 秀文
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2009 年 23 巻 1 号 p. 91-96

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抄録
医薬品の有効性・安全性の評価には治験・臨床試験の実施が必須である.その信頼性の向上のためにデータマネジメントなどが実施されることが多くなっている.治験が実施されずに成人等で医薬品が承認されると,現場での適応外使用が行われてしまい,これが大きな問題として日本小児科学会もその解決に向けて取り組んできた.日本小児科学会薬事委員会は,「小児科領域における適応外使用解決と治験推進のためのアクションプラン」を作成し,様々な活動を進めている.厚生労働省は「未承認薬使用問題検討会議」と「小児薬物療法検討会議」等で,小児医薬品の早期承認を目指しているが,これは欧米に追い付くための一時しのぎであり,小児治験推進策と治験インフラ整備が進められることが根本的な解決策といえる.「新たな治験活性化5カ年計画」に基づく中核病院・拠点医療機関整備や,医師主導治験の実施等によりインフラ整備に取り組んでいるが,関係学会は各方面と連携し,治験推進策の策定や治験インフラ整備などにさらに取り組んでいく必要があろう.
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© 2009 日本小児アレルギー学会
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