日本小児アレルギー学会誌
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総説
新生児・乳児消化管アレルギー,4つの病型とそれぞれの診断治療法について
野村 伊知郎
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2013 年 27 巻 5 号 p. 674-683

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抄録

新生児・乳児消化管アレルギーは,1990年代後半から急激にその報告数が増加してきた.生命にかかわる重症者も少なくないことから,早期の診断治療が求められている.消化管における非即時型アレルギーがその本態であるが,欧米の同グループに属する疾患概念に当てはまらないため,診断に困難をきたすことも多い.このため,一旦,新生児・乳児消化管アレルギーという診断をつけておいて,時期を失することなく診断的治療を行うことが推奨される.本症は,初期症状から4つのクラスター,すなわち,嘔吐と血便を見るクラスター1,嘔吐が主症状のクラスター2,どちらもないが,体重増加不良や難治下痢,低蛋白血症を見るクラスター3,血便が主徴のクラスター4に分かれる.本稿では,この4つのクラスターごとの特徴を明らかにしながら,無駄のない診断治療,そして負荷試験の方法について述べたいと思う.

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© 2013 日本小児アレルギー学会
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