抄録
アトピー性皮膚炎(Atopic dermatitis;以下ADと略す)は増悪・寛解を繰り返す湿疹病変である.客観的な評価指標はSeverity Scoring of Atopic Dermatitis(SCORAD)がよく知られているが評価手段が煩雑である.ADの病勢と血清Thymus and activation-regulated chemokine/CCL17(以下TARCと略す)値が相関することが報告されている.アトピー性皮膚炎の乳児7症例に対して各医師のつけたSCORADの違いとTARC, IgE,好酸球,LDHについて検討した.各医師のつけたSCORADにはばらつきが認められTARCとSCORADは経験年数の多い医師ほど相関する傾向がありアレルギー専門医では有意に相関した.血清TARCはアトピー性皮膚炎の評価の一助となると考えられた.