【目的】小児気管支喘息 (喘息) の長期管理において, 吸入ステロイド定量噴霧式吸入器 (pMDI) の操作が適切に実施できているのかを, 使用済みpMDIの残重量から評価する.
【方法】2013年7月~2014年5月に5~15歳の喘息児に処方された残量カウンター付きフルチカゾン/サルメテロールpMDIを対象とした. 噴霧者を確認し, 使用済みpMDIの残重量を計量した. さらに子どもモデルと大人モデルを作成し, 噴霧力および振とう操作が噴霧量に与える影響を測定した.
【結果】総処方数2,793本中, 188人から769本のpMDIを回収. 5歳では17%の患児が, 10歳では93%が自分で噴霧をしていた. 120回使用量の期待値9gの95%以上を噴霧できたのは, 小児35%, 保護者58%であった (p<0.05). 大人モデルと子どもモデルの検討から, 不十分な振とうや弱い力が噴霧量低下の原因の一つであると考えられた.
【結論】6~13歳の小児において, pMDIの噴霧量が適切であった割合は半分以下であり, 年齢とは無関係だった.