日本小児アレルギー学会誌
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原著
学校教職員のエピペン®注射手技の実態~エピペン®実技試験と手技に影響する因子の検討~
村田 宗紀早野 聡子塩谷 裕美福冨 崇浩柏崎 佑輔鈴木 健和田 芳雅只木 弘美
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2017 年 31 巻 1 号 p. 80-88

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抄録

 【背景】食物アレルギー児の増加を背景に, 学校職員がエピペン®を使用する状況が増加している.

 【目的】教職員のエピペン®注射手技を客観的に評価する.

 【方法】平成25年, 27年度に神奈川県大和市内の全公立小中学校を訪問しロールプレイ形式のエピペン®講習会を開催した. 平成27年度には, 講習前にエピペン®トレーナーを用いた実技試験を教職員678名に実施し, 5項目 (①安全ピン, ②持ち方, ③押さえ方, ④注射部位, ⑤注射時間) に関して評価 (各項目1点, 5点満点) した.

 【結果】参加者全体の平均点は2.9点であり, エピペン®の持ち方や注射時間の正答率が低かった. 講習未経験者でもエピペン®使用法ラベルを確認した場合, 講習経験者と同等の得点であった. また, 管理職の得点が高い学校では教員全体の得点が高かった.

 【結語】エピペン®使用法ラベルの確認を徹底指導することが, 正確な使用のため有用と思われる. 学校全体の食物アレルギーへの対応力向上のため, 管理職が危機意識をもち率先して対応することが望まれる.

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© 2017 日本小児アレルギー学会
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