2021 年 35 巻 2 号 p. 181-185
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2020において,第3章「疫学」には気管支喘息の有病率や入院率,喘息死とともに合併症,予後など実際の診療に必要な疫学データが記述されている.近年報告された疫学調査結果のなかで特筆すべき事項として,厚生労働省による人口動態調査にて2017年,2018年と2年間,14歳未満の喘息死亡数が0と報告されたことである.この小児喘息における好ましい結果にJPGLが貢献しているものと思われるが,20歳未満の喘息死亡ゼロが実現,そして継続できるように今後もJPGLが小児喘息治療のツールとして広く活用されることを期待している.