2021 年 35 巻 2 号 p. 186-191
「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2020」の第4章 危険因子とその対策では気管支喘息の発症に関わる個体因子と環境因子,急性増悪(発作)に関わる環境因子の調査結果を最新の情報に更新した.その他では,環境因子において近年注目されている「マイクロバイオーム」,「抗菌薬」,「母体への薬物投与」に関して新たに項立てした点,喘息の診療に重要である「室内環境整備のポイント」に関して図を用いた説明を加えた点,「海外の喘息ガイドラインにおける喘息の発症予防および増悪予防の指針」を表にまとめて示した点などがJPGL2017からの主な変更点である.しかしながら,本邦での喘息診療において重要な家塵中のダニの除去に関するエビデンスはいまだ乏しい.2020年のコロナウイルス感染症2019(COVID-19)のパンデミックに伴い喘息による救急受診や入院の患者数は減少しており,ウイルス感染症の予防対策やマスク着用によるアレルゲン曝露の減少の関連が示唆されている.