日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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総説
アトピー性皮膚炎の新しい治療
加藤 則人
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2021 年 35 巻 3 号 p. 233-238

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抄録

近年,アトピー性皮膚炎の病態に関する研究が飛躍的な進歩を遂げ,その研究成果をもとに,新しい作用機序を持つアトピー性皮膚炎の治療法の開発が盛んである.Interleukin-4,-13のシグナルを阻害するデュピルマブや,ヤヌスキナーゼ阻害外用薬のデルゴシチニブなど,すでに国内の臨床現場で成人アトピー性皮膚炎を対象に承認されている薬剤も含め,アレルギー炎症に重要な役割を有する2型サイトカインに対するモノクローナル抗体,ヤヌスキナーゼ阻害薬,フォスフォジエステラーゼ4阻害薬の中から,おもなものについて紹介した.これらの一部については,小児を対象にした臨床研究も進んでいるようである.アトピー性皮膚炎を対象にした新たな治療薬の開発は盛んで,今後もさらに多くの薬剤が承認されると期待される.アトピー性皮膚炎では,長期の寛解維持が重要であり,効果とともに安全性に関する長期データを注視して行く必要がある.

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© 2021 日本小児アレルギー学会
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