JPGL2020の第6章は「患者教育,吸入指導」とされ,患者教育の重要性を考慮し,第7章「長期管理に関する薬物療法」第8章「急性増悪(発作)への対応」の前に章立てされている.また喘息治療・管理において重要な吸入指導と統合し,吸入指導における患者教育についても述べている.JPGL2020ではより視覚的にもわかりやすく図表の変更を行った.
気管支喘息の治療は医師が適切な処方や指示を出しても患者側が受け入れて実行しなければ期待通りの効果は得られない.そこに患者教育の果たす重要な役割がある.
ただ,患者教育と言っても,医療従事者が喘息の知識を患者に与えるだけの教育は効果が低く,患者や親などの保護者が喘息治療を主体的に自己管理できるように導かなくてはならない.そのためには,患者・家族とのパートナーシップを確立し,治療目標を共有してアドヒアランスの向上を図るような患者教育が必要となる.
本稿では第6章の患者教育・吸入指導の概要を改訂点など含め解説する.