2022 年 36 巻 1 号 p. 21-27
喘息の患児や家族にとって呼吸苦,咳嗽による睡眠障害,生活・運動の制限,通院,環境整備,急性増悪に対する不安などが生活の質(quality of life,QOL)に大きく関係している.特に夜間の咳嗽は睡眠を妨げるだけでなく,体力も消耗し著しくQOLを悪化させている.また,極長期ではアウトグロー,将来の呼吸機能・慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease,COPD)と小児期の喘息が深く関わっていることが示唆されている.そこで,急性期・長期管理では咳嗽による睡眠障害を,極長期管理ではCOPDに注目して最新の情報や自験例をもとに概説する.