背景
アレルギー疾患患者の災害時対応に関する情報は十分とは言えない.
目的
大規模災害に対する患者・家族の意識や準備状況,必要とする情報や対策に関するアンメットニーズを把握する.
方法
2021年1月~2月に全国の成人を含むアレルギー疾患患者もしくはその養育者に,Googleフォームを用いたアンケート調査を行い,20歳未満患者の養育者の回答を解析した.
結果
解析対象は合計1,221件(女性92%)であった.「学会や自治体の相談窓口やパンフレット」「アレルギーポータル」「公的避難所のアレルギー対応食備蓄有無」に関してはそれぞれ83%,58%,83%が知らないと回答し,家庭における食糧備蓄量は3日分以上が72%,7日分以上が15%であった.災害時に欲しい情報は「薬がない時の対処」が最多で,電源を考慮し紙媒体での提供希望が多かった.被災経験者が困ったことは「皮膚症状の悪化」が最多であり,「アレルギー疾患に関して相談したかったが,相談先がわからなかった」の回答が24%存在した.
考察
自助の啓発に加え,公助の充実と周囲の理解が必要であることが明らかになった.
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