2022 年 36 巻 1 号 p. 28-34
アレルギー疾患への対応法は,これまでは医学的に病態を把握して治療を行うという視点で論じられてきた.生活者の視点で見る時に,アレルギー診療をスキルミクスで取り組むことや,Quality of Life(QOL)をものさしにするという発想がある.アトピー性皮膚炎でQOLに影響を及ぼす因子は,かゆみ,見た目,治療の負担,不安がある.アトピー性皮膚炎のQOL調査票は,成人ではSkindex-16,Dermatology Life Quality Indexがあり,日本語版がある.小児ではThe Children's Dermatology Life Quality Indexがあり,これにも日本語版がある.低年齢児では,養育者が主に治療を担うため,養育者の負担を評価するものが必要である.Quality of life in Primary Care givers of children with Atopic Dermatitisとその短縮版QP-CAD shortened to 9 questionsがある.患児と養育者双方のQOLを養育者が回答するthe Childhood Atopic Dermatitis Impact Scaleを日本の患者に合わせて修正したJapanese Culturally Modified Version of the Childhood Atopic Dermatitis Impact Scaleが利用できる.生活者の視点で医療を進めていく上で,オープンダイアローグという手法がありえる.