2022 年 36 巻 2 号 p. 152-156
アレルギー疾患に対する免疫療法は110年前に開発され現在まで様々な工夫が凝らされてきた.作用機序としてregulatory T(Treg)細胞の増加とT helper(Th)2細胞の抑制によりIgEからIgGへのクラススイッチが誘導されること,ブロッキング抗体を誘導し患者IgEのアレルゲンへの結合を阻害することが考えられている.より有効で副作用が少ない修飾されたアレルゲン,投与方法が工夫されてきた.これらの中でも注目されたのがペプチド免疫療法である.ペプチド免疫療法には主にT細胞エピトープペプチドが用いられる.T細胞エピトープペプチドはIgEエピトープを含まないので患者IgEに結合せず,副作用のない免疫療法が可能になると考えられた.細胞レベル,動物実験でも有効な結果が得られ臨床応用が期待された.ところがその後の臨床試験で有効性にプラセボとの差がないこと,投与されたペプチドに対するIgE抗体が誘導されることが分かって来た.現在免疫療法の効果発現にはブロッキング抗体の誘導などによる液性免疫の修飾が必要なのではないかと考えられている.