日本小児アレルギー学会誌
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不登校となった重症アトピー性皮膚炎の2症例
小倉 英郎尾原 喜美子小倉 由紀子前田 治子白石 泰資
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1997 年 11 巻 4 号 p. 299-306

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抄録
不登校となった重症アトピー性皮膚炎の2症例を経験し, 入院による除去食療法と環境整備が有効であったので報告する.
症例は11歳5ヶ月と16歳7ヶ月の男児で, 両者とも皮膚症状の悪化のため, 不登校となり, 食物アレルゲンの診断と治療のため入院した. 検査値は両者とも血清IgE高値 (症例1: 12,000IU/ml, 症例2: 55,300IU/ml) であり, ダニ特異IgE抗体高値で, 食物アレルゲンも多項目陽性であった. 入院後は, 環境整備と卵, 牛乳, 大豆, 小麦, 米を始めとする推定食物アレルゲンの除去を行った. 両者とも入院3週間後に皮膚炎症状の著明な改善を認めたため経口誘発試験 (single open food challenge test) を行った. 症例1は米, 大豆, 卵が陽性で, 小麦, 牛乳, 豚肉が陰性であった. 症例2は小麦, 米が陽性で, エビが陰性であった.
アトピー皮膚炎のため不登校となる症例は今後増加すると考えられる. その問題解決には様々なアプローチが考えられるが, 的確なアレルゲン診断に基づいたアレルゲン除去をまず試みるべきであることを強調したい.
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