1998 年 12 巻 3 号 p. 262-266
両親の気管支喘息の発症時期が児の喘息発症に及ぼす影響を検討するため, 相対危険を求めた.
相対危険は次の通りであった. (1) 父にアレルギー疾患がある場合は6.55であり, 母にアレルギー疾患がある場合は3.44であった. (2) 父に喘息がある場合は30.44であり, 母に喘息がある場合は9.78であった. (3) 父に小児期発症のアレルギー疾患がある場合は11.42であり, 母に小児期発症のアレルギー疾患がある場合は5.23であった. (4) 両親のアレルギー疾患の発症時期が小児期発症であった場合は14.27であり, 成人期発症であった場合は5.23であった. (5) 父に小児期発症の喘息がある場合は39.95であった. (6) 父に成人期発症の喘息がある場合は11.42であった.
両親のアレルギー疾患のうち, 父の小児期発症の喘息が児の喘息発症に最も関与しているものと考えられた.