日本小児アレルギー学会誌
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小児における薬剤過敏症 第2編
皮膚テスト, 白血球ヒスタミン遊離試験およびスキンチャンバー法での検討
笹本 和広飯倉 洋治
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1998 年 12 巻 3 号 p. 273-280

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抄録

薬剤過敏症の診断には詳細な問診の他に皮膚テストやDLST等の検査も参考にされる. 今回, 問診上即時型過敏症と考えられた11ヵ月から11歳までの小児を対象にして, 白血球ヒスタミン遊離試験 (20例), 皮膚テスト (13例) の他に一部 (7例) ではスキンチャンバー法を行ない, その陽性率につき検討を加えた. (1) 白血球ヒスタミン遊離試験の陽性率は55%であったが, Stimulation index は必ずしも Dose-dependent にはならなかった. (2) 皮膚テストは13例中8例で陽性であった. (3) スキンチャンバー法では7例中4例 (57.1%) が陽性であり, 他の診断法と比してほぼ同様の陽性率と考えられた. スキンチャンバー法も加えることにより, 全症例の80%以上の例で何等かの検査が陽性となり, スキンチャンバー法も薬剤過敏症の診断に有用であると考えられた. 現時点ではそれらを組み合わせることにより, 原因薬剤を特定できる例もあるのではないかと考えられた.

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