日本小児アレルギー学会誌
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小児中葉症候群と気管支喘息の関連
本村 知華子小田嶋 博西間 三馨
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2001 年 15 巻 3 号 p. 285-290

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抄録
右中葉または左舌区の無気肺を4週間以上持続するか3回以上反復する場合を中葉症候群と診断し, 気管支喘息との関連を検討した. 12年間に診断した中葉症候群は56名 (男性32名, 女性24名) であり, 平均5.4±3.1歳 (11か月~14歳) であった. 気管支喘息合併群38名 (67.9%) は平均6.1±3.3歳であり, 気管支喘息を合併しない群18名 (平均4.0±2.0歳) に比べ高年齢であった. 反復した中葉症候群では一回のみの中葉症候群より気管支喘息の合併が高率であった (P<0.01).
中葉症候群と診断されてから2年以上経過を観察できた合併例22名に関し気管支喘息の予後を検討した. 中葉症候群診断時 (平均6.4±3.8歳) の重症度は重症5名, 中等症3名, 軽症14名であった. 平均6.2年の経過観察後 (平均12.5±5.6歳) には重症6名, 中等症7名, 軽症8名であり, 1名は寛解していた. 逆に中葉症候群診断時には喘息と診断されずに, 5年後軽症の喘息と診断された児が1名あった.
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