家庭での吸入療法が効率よく行われているかどうかは不明である. 今回我々は, DSCG尿中排泄率を測定することによって吸入効率を評価し, それを参考に吸入指導を行った.
DSCG尿中排泄率1%未満の患児は26例中17例であった. 尿中排泄率1%未満の者は, 低年齢児 (3~7歳) では15例中12例 (80%), 高年齢児 (8~13歳) では11例中5例 (45%) であり, 低年齢児にその割合が高い傾向がみられた (p=0.103). また尿中排泄率1%未満の者は,「~しながら」吸入している者では19例中16例 (84%), 吸入に集中している者では7例中1例 (14%) であり,「~しながら」吸入している者にその割合が高かった (p=0.005). 尿中排泄率が低かった者を中心に吸入指導を行った結果, 尿中排泄率1%未満であった17例中, 吸入指導後の尿中排泄率を測定した9例では, 全員にDSCG尿中排泄率の増加傾向がみられた.
DSCG尿中排泄率を測定することによって, 吸入効率を評価できると同時に, 吸入指導を必要とする喘息児を把握でき, また吸入指導の効果も評価できると思われた.
抄録全体を表示