日本小児循環器学会雑誌
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特集
ホルター心電図のとり方, 読み方
新村 一郎
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2012 年 28 巻 2 号 p. 96-102

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抄録

ホルター心電図の長所は, 通常心電図では検出され難い, 一過性変化を検出できる点であり, 特に不整脈の診断, 治療効果判定に有用である. 的確な判読にはノイズの少ない鮮明な心電波形の記録が必須である. 稀な頻度のイベント検出には, 長期間記録が可能なevent recorderが適応となる. Event recorderには, 症状発現時に被験者が胸部に接着して始動する非持続性と常時装着して起動前後の数秒~数分の情報を保存できるループメモリ付きと非ループ式がある. 非ループ式では急速な循環不全時には患者はrecorderをスタートできない欠点を有する. 今や, 豊富な解析ソフトによって, 心臓自律神経機能の評価, QT間隔測定やTWAによる再分極過程の不均一性の検討, 原因不明の失神などの診断, ペースメーカやICDの機能評価など多くの分野で活用されているが, 小児では未開拓の領域が多く, 今後の研究が待たれる.

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© 2012 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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