日本小児循環器学会雑誌
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原著
乳児期後期Rastelli型手術における16 mm自作3弁付きePTFE導管の中期遠隔成績
小泉 淳一猪飼 秋夫岩瀬 友幸熊谷 和也鎌田 武那須 友里恵中野 智早田 航高橋 信小山 耕太郎岡林 均
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2015 年 31 巻 6 号 p. 340-344

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抄録
背景:新生児乳児期のRastelli型手術では将来の導管交換は必至である.
目的:当院では姑息術を経て乳児期後期に16 mm自作3弁付きexpanded polytetrafluoroethylene(ePTFE)導管を使用したRastelli型手術を施行している.その中期遠隔成績を検討した.
方法:対象は2007~2013年までに上記手術を施行した9例.年齢17.3ヶ月,体重8.9 kg,診断DORV,PS4例,PA,VSD,MAPCA4例,PA,VSD1例.
結果:急性期遠隔期死亡なし.術後平均経過観察期間45ヶ月で導管バルーン拡張術2例(術後47,51ヶ月).うち1例は導管交換術施行(初回手術後78ヶ月,バルーン拡張後27ヶ月).導管交換例を除いた,最新のエコー所見は導管内圧較差0~20 mmHg:4例,21~40 mmHg:4例,41 mmHg以上:0例,導管内逆流は微量:4例,軽度:2例,中等度:2例.
結論:乳児期後期Rastelli型手術における16 mm自作3弁付きePTFE導管の中期遠隔成績は許容できるものであった.導管狭窄に対するバルーン拡張術は導管交換を遅延できる可能性が示唆された.
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© 2015 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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