2016 年 32 巻 1 号 p. 50-53
胸部鈍的外傷後の心室中隔穿孔に対し受傷後3か月で手術を行い良好な結果を得たので報告する.症例は7歳,男児.学校で遊んでいる際に前胸部を突かれるようにアルミ製のブラインド下端の棒に衝突し鈍的外傷を負った.受傷直後はなかった心雑音を1か月後に聴取し心エコーで心尖部に左右短絡を認めた.その後,易疲労感と左室の拡大傾向を認めたため受傷後3か月で手術を施行した.左室切開アプローチを選択し穿孔部の同定は容易で心尖部中隔に10 mmの亀裂を認めパッチで閉鎖した.術後の経過は良好であった.