日本小児循環器学会雑誌
Online ISSN : 2187-2988
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症例報告
心臓再同期療法を施行したLMNA変異を伴う先天性筋ジストロフィーの1例
岩﨑 秀紀藤田 修平谷内 裕輔久保 達哉永田 義毅臼田 和生仲岡 英幸伊吹 圭二郎小澤 綾佳廣野 恵一市田 蕗子畑崎 喜芳
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2016 年 32 巻 3 号 p. 237-243

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抄録
LMNA遺伝子は,核膜の裏打ち蛋白であるLamin A/Cをコードし,心筋・骨格筋・末梢神経の障害,皮膚疾患など多彩な疾患の発症に関与する.LMNA変異には,拡張型心筋症や伝導障害,心室性不整脈の合併が多いとされ,これらの心不全・伝導障害に対して心臓再同期療法(Cardiac resyncronization therapy; CRT)の有用性の報告が散見される.本症例は乳幼児期発症の先天性筋ジストロフィーの女児で,遺伝子検査でLMNA変異を認めた.8歳以降,徐々に心機能が低下し,完全房室ブロックや非持続性心室頻拍を認め,13歳時より心房細動,徐脈および心不全が進行し,入退院を繰り返すようになった.14歳時に,伝導障害を伴う高度徐脈を合併した心不全に対して,経静脈的に両心室ペースメーカ植込み術を施行し,心不全症状の改善が得られた.LMNA関連心筋症は成人期以降に徐脈性不整脈・心不全や突然死を呈することが多く,成人例でのCRTの有用性が報告されているが,本症例のように小児期発症例においてもCRTの有用性が示唆される.
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© 2016 特定非営利活動法人日本小児循環器学会
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