日本小児循環器学会雑誌
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原著
本邦における心室中隔欠損に対する経皮的カテーテル閉鎖術の可能性
浅田 大 富田 英藤井 隆成樽井 俊宮原 義典石野 幸三
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2019 年 35 巻 2 号 p. 119-124

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抄録

背景:膜様部心室中隔欠損(PMVSD)に対する経皮的カテーテル閉鎖術の報告が増加しているが,現在日本における治療方法は外科手術のみである.

方法: 2007年9月~2016年8月に当科で診療を行ったVSD患者の年齢,体重,検査データを後方視的に検討し,Amplatzer duct occluder I (ADO I)による経皮的閉鎖術の適応基準を満たす症例を抽出した.適応基準は,過去の報告を参照し,安全に閉鎖できると考えられる基準を設定した.

結果:計359名のVSD患者のうち,自然閉鎖を102名に認め,121名に外科手術による閉鎖を行い,現在も閉鎖していない136名の経過観察を続けていた.経過観察を続けている136名のうちPMVSDを101名に認め,ADOIによる閉鎖基準を21名が満たしていた.

結論:経過観察されている症例の中にも経皮的閉鎖の適応を満たす患者は一定の割合で存在すると考えられ,低侵襲治療である経皮的閉鎖術が本邦へ導入されれば,多くの患者が恩恵を受ける可能性がある.

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© 2019 特定非営利活動法人日本小児循環器学会
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