2020 年 36 巻 2 号 p. 128-132
背景:2016年,学校心臓検診のガイドラインが改定され,接合部調律は全例要精査,心室拍数80回/分を超える場合には上室頻拍に準じた管理とされた.しかし,学校心臓検診における接合部調律の頻度,心拍数についての十分なデータはなく,ガイドラインの変更が学校心臓検診の現場に与える影響は不明である.
方法:大津市学校心臓検診対象者の7,108人において,接合部調律の頻度,心拍数について検討した.
結果:接合部調律の頻度は,小学校1年生で55人(2.4%),小学校4年生で73人(3.0%),中学校1年生で76人(3.3%)であった.平均心拍数は,それぞれ79.2±7.9回/分,76.7±8.6回/分,72.5±9.9回/分であった.
結論:学校心臓検診においては,接合部調律は従来想定されているよりも頻度は高い.心拍数もガイドラインで想定されている30~60回/分よりも速く,年齢が小さいほど顕著であった.