小児歯科学雑誌
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臨床
特異な口腔所見を呈したOral-facial-digital syndromeの2症例
牧村 美穂折野 大輔韓 娟松根 健介前田 隆秀
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2009 年 47 巻 3 号 p. 506-513

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抄録

Oral-facial-digital syndrome(OFD症候群)は,特異顔貌,口腔異常(分葉舌,小帯異常,歯槽異常),指趾異常(短指,合指,彎指,多指)を主徴とする遺伝性症候群である。本症例は,OFD症候群と某市立病院にて診断され,口腔内清掃と咀嚼・嚥下の指導を主訴に来院した,4歳5か月の二卵性双生児の女児である。両症例に認めた口腔所見は,唇・頰小帯の異常,歯の形成不全および歯数の異常であり,X線画像所見では,側切歯の先天性欠如であった。全身所見においては,両眼隔離のような特異顔貌がみられた。OFD症候群の患者は,口腔異常を伴う頻度が高いため,摂食機能,嚥下機能,構音機能への配慮を要すると考えられる。よって長期にわたった口腔健康管理が必要であると考えられる。

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© 2009 日本小児歯科学会
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