小児歯科学雑誌
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総説
小児の歯周疾患
山口 登
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2009 年 47 巻 5 号 p. 693-699

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抄録

本稿では,小児歯周炎で特徴的な限局型侵襲性歯周炎(LAP : localized aggressive periodontitis)および遺伝性疾患を伴う歯周炎の中で最も遭遇する頻度の高いダウン症患児の歯周炎について述べる。まず,LAP の主な特徴は,臨床的に歯肉の炎症が比較的軽度であるにもかかわらず,一方では永久前歯および第一大臼歯部の急速な歯槽骨吸収のため,早期に歯の動揺を引き起こす。口腔内からは,血清型b のロイコトキシン(Ltx : leukotoxin)高産生株であるAggregatibacter actinomycetemcomitans(Aa)が高頻度に検出される。 そのためLAP が疑われた場合は細菌検査を行う。したがって,通常の歯周治療に加えAa 菌に感受性の高いテトラサイクリンなどの抗生物質の全身投与を併用して除菌を行う必要がある。 また,ダウン症患児では,早期に難治性の重篤な歯周組織の破壊を呈することが多い。そのため,徹底的なプラークの除去を行い,一方,細菌検査で歯周病細菌が検出された場合には,感受性の高い抗生物質を投与した併用療法を行うことが望まれる。ダウン症患児の口腔内環境については,まだ不明な点が多い。したがって同患児の口腔内環境をさらに詳しく分析しながら,ダウン症患児のみならず小児の歯周疾患の予防と治療に貢献していきたい。

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© 2009 日本小児歯科学会
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