小児歯科学雑誌
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総説
小児期における顎口腔機能の発達過程を探索する
齊藤 一誠
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2012 年 50 巻 1 号 p. 15-21

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抄録

小児期の顎口腔機能は,小さな大人としてその機能を理解することはできない。身体の成長発育に合わせて顎口腔機能もまた発達するためである。成人ではすでに獲得している機能,すなわち既知の機能の維持が重要であるが,疾患や外傷などの結果により一部の機能が低下した場合,「リ・ハビリテーション」により機能は回復する。しかし小児期は,未だ獲得していない機能を徐々に習得していく時期であることから,「ハビリテーション」(=機能の発達)という概念が必要となる。年齢によって獲得している機能は限定されており,各世代での発達段階を把握することも重要である。我々の研究グループでは,小児期の顎口腔機能を理解するために,多角的に検討しており,今回は咀嚼機能を中心に概説する。小児においては,固有の咀嚼運動が可能になってきているものの,成長発育に合った機能の獲得途上であるため,十分な咀嚼機能は有していない。我々小児歯科医は,子どもの発達段階を把握し,その時点での到達目標と現状との相違を理解する必要がある。問題が生じているのであれば,到達目標までのハビリテーションを行い,子どもの機能の発達を良い方向へ導いていくことが重要である。

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© 2012 日本小児歯科学会
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